Twitterのフォロワー様より「オーバーフロー水槽用ポンプ配管の購入を検討しているのですが、長さ等を合わせて作成して頂くことは可能でしょうか。」との相談をお受けしました。
このお客様には丁度1年位前にDEP-10000をご購入頂いておりました。
配管はショップ様が現地組するとの事でお伺いしておりましたので、良い運用されてるんだろうと漠然と思っておりましたので、実は本DMを頂戴しちょっとびっくりしました。
配管詳細を丁寧に図化してお送り頂いた所から本件はスタートしました。
お客様よりの正式相談
次のコメントと共に写真を3枚頂戴しました。
VP13で配管されていて、ちゃんと流量でてないんじゃないのかなというのが相談させて頂いた理由です。
写真を拝見して狭い濾過槽に綺麗にユニオンタイプボールバルブを使って3分岐されているので、これならきちんと流量出るのでは?と最初は思いました。
各々のホースの行き先と径を確認し理想の流量に関してお聞かせ頂きました。
【ポンプ出口の給水先】
・左から、クーラー→水槽:VP13:理想流量1500〜2000L/H
・リフジリアクター→サンプ戻り:VP13:理想流量500L/H
・殺菌灯→水槽:VP13:理想流量1000L/H
【ポンプ取り出しの配管サイズ】おそらくVP16程度取出してすぐにVP13にレデュースされてます
【クーラー型式】現状zc-500ですが、近々zc-1000へ変更予定です
【殺菌灯型式】東熱の15wタイプです※流量が多くなってしまう分はポンプ出力やバルブ調整出来ればOKです
この仕様を見て気づいた方は少ないかも知れませんが、お客様の水槽はクーラーを通した水流と殺菌灯を通した水流が各々別々の配管を使って水槽に導かれている、比較的珍しい配管構成になっています。
正直この程度の流量ならポンプサイズから考えても充分可能だと考えたのですが、
現在の配管構成での流量が判らないと流量改善配管の製作可否判断出来ないので、キーエンスのFD-Qシリーズの流量計をお貸し出しさせて頂き、現状の流量を測定頂くことにしました。
驚愕の測定結果
過去実験結果から、どの配管からも1000L/H程度の流量が流れているのでは?なーんて思っていたのですが甘かったです。
お客様からも「計測器のセットの仕方を間違えてるのでは?」と確認のメールを頂いた位です。
どう見てもセット方法合ってます。というか挟むだけですし事前にセッティングしてお渡ししてるので間違う方が難しいのです。
改めて見るとUVランプの配置といい分岐配管のバランスといいとても格好良いキャビネット内配置ですね。
計測器を再設置頂き、他のバルブを全部占めてコントローラーで70%に絞って頂いた結果がこれでした。
558L/H(9.3L/分)
再度のはぁ?ですよね。
記載を忘れてましたが、お客様の水槽の総水量は200L程度との事です。2本で揚水してるとは言えこれでは流量足りてませんよね。。。
何度も記載しますが、使っているポンプはDEP-10000です。
それで、一つの配管にこれだけしか水が流れないなんて考えられません。
想定される原因として2つ挙げさせて頂いた上で、改善提案を送付させて頂きました。
【流量が出ない想定原因】
- ポンプからの取出しが細すぎます。本ポンプはVP25で接続して本領を発揮します。出来るだけ太い部分で分岐させる事が重要と思います。
- UVランプの抵抗がとても大きい事が考えられます。
【改善提案】
UVランプやクーラーの型番から接続可能最大サイズを確認した所、VP16の切りっぱなし(外径22mm)でも接続可能と分かったので、このような提案をさせて頂きました。
※バルブや配管の色がまばらなのは無視して下さい
お客様と数回やり取りした結果、ユニオンタイプボールバルブの方が配管バラシや配管の微妙な向き変更に対応出来るとのアイディアを頂きましたので提案内容を変更させて頂きました。
お客様のご意見はとても的確で、配管の向きやバルブの向きを微妙に調整する為にはユニオンタイプのボールバルブとても便利です。
実はコストは相当アップするのですが、この内容にて基本OKを頂き、後は高さや配管長さの確認と調整をさせて頂きました。
寸法が判る図面をお送りしてお客様と何度もやり取りさせて頂きました。
お客様からも再度寸法が判る絵を頂戴したのですが、もし全ての配管を接着してお客様に納品した後、機器やキャビネットとの干渉が発生すると目も当てられない事になりますので、ここはお客様にご負担を掛ける事になって大変申し訳なかったのですが、左右の配管は少し長めに切断してお客様にて現物合わせでカットして接着をお願いする事になりました。
※この点に関しては通販オリジナル特注配管の弱点ですね。本当にご無理をお聞き頂き感謝です
最終完成写真
弊社所有のDEP-10000にセットして写真撮影しました。
【仕様纏め】
- ポンプ直上からVP25サイズのユニオンソケットを使って分岐配管に接続しています。(通常はここを詰めているのですが、「ボールバルブを出来るだけ高い位置に」とご指示を頂戴したので、現物ママ接着しています。
- VP25チーズで2分岐して直上はVP25サイズのままUVランプからの水槽に向かいます。出来るだけ太い配管のままUVランプに接続出来るようにVP25配管の先に内径19mmに絞る為のホースコネクターを接続しています(この配管が妙に長いのはお客様に現物合わせカットして頂く為です)
- 真ん中の配管は異径チーズでVP20サイズに変換しエルボで曲げた先すぐに内径16mmホースが刺さるコネクターをセットしています。
- 左の配管はVP25のまま配管し内径19mmに絞る為のホースコネクターを接続しています(写真から見て取れませんが、この配管が長いのはお客様に現物合わせカットして頂く為です)
※配管とホースコネクターがどのような取合になっているか参考写真を以下に示します。(接着してないので、歪んでるのはご容赦下さい)
お客様とのやり取りの半分以上削ってますし、過去最高に難しい配管組でした。
※お客様のご自宅に御伺しての配管はもっと複雑なの組んでいますが。。。
これで流量が劇的に増えなかったら、本当に悲しいですし返金事案になります。
このブログを掲載している時点で、まだお客様より計測結果を頂いておりませんが、流量が大幅アップして飼育環境の改善に繋がる事を本当に期待しています。
※極稀に「配管真似して作って良いですか?」的なメールを頂戴します。このような配管組に特許も実用新案も御座いませんし、皆様の飼育環境が改善されるのはとても嬉しい事ですので、どんどん真似して頂いて結構ですし、悩んだら弊社のポンプを使って頂いてない方にも喜んでサポートさせて頂いておりますので、遠慮なくメールを頂戴出来ましたら幸いです。
info.saffdesign@gmail.com
皆様良いアクアライフを!!
最近米国からの多くのアクセスを頂いております。
本当に有難いことです。
Thank you for reading this blog.
I am sorry for the description in Japanese only.
This page article "Piping for overflow water tank."
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This blog is link free.
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