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オーバーフロー水槽のポンプサイズって、どうやって決めてますか?
販売サイトに推奨ポンプ型番が書かれているケースが有りますが、正しいのでしょうか?
皆様の参考になるように超有名なレッドシーのリーファー(Redsea reefer)を元に考えてみました。
まずは、仕様を確認してみましょう。
https://www.redseafish.com/ja/aquarium-systems/reefer/
表1 レッドシー リーファー推奨ポンプサイズ
型番 |
総水量 (L) |
推奨ポンプサイズ (L/H) |
推奨ポンプ仕様時 1時間当たり循環量 |
Nano | 105 | 2000 | 約19回 |
170 | 165 | 2000 | 約12回 |
250 | 244 | 2500 | 約10回 |
350 | 345 | 3000 | 約8.7回 |
425 | 422 | 4000 | 約9.5回 |
450 | 440 | 4000 | 約9.1回 |
525 | 525 | 4000 | 約7.6回 |
ペニンシュラ500 | 500 | 6000 | 約12回 |
ペニンシュラ650 | 662 | 7000 | 約10.6回 |
XXL625 | 625 | 6000 | 約9.6回 |
XXL750 | 750 | 7000 | 約9.3回 |
必要循環数(回転数)は正式な答えが有る訳では無く、最低1時間あたり6回〜10回程度を目安に設定されている方が多いかと思います。
そう考えるとレッドシーの推奨ポンプサイズ設定はとても妥当な気がします。
上記表を見ると、レッドシーは最低でも1時間あたり7回以上の循環量(回転数)を求めている事が判ります。
では、弊社取扱のHSBAO社のポンプ能力はどうなっているでしょうか?
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残念ながら、メーカーが公開している性能線図が御座いません。
よって、公開されている情報から簡単に計算してみました。
結果が下記表になります。
表2 DEPポンプ期待性能線図
*上記表はあくまでも最大揚程と最大流量(揚程0m時)を直線的に結んだだけで擬似的性能線図となります。
*数値は標準的なオーバーフロー水槽で有る、揚程1.25m時の流量(1時間当たり)を記載した数値です。
*実際の数値は使う配管・エルボの回数・コネクターの数によって変わりますのであくまで参考までにご覧下さい。
*弊社実験でもコネクターやエルボが多いせいで、上記計算値より流量が多かったり少なかったりの結果が出ています。
推定値だけでなく、過去に実測した数値も載せておきます。
表3 実測ポンプ性能纏め
*実測データです。
これらのデータを元に各サイズに適正と思われるHSBAO社のポンプ型番を提案させて頂きます。
表4 HSBAO社製ポンプお勧め型番(その1)
型番 |
総水量 (L) |
推奨ポンプサイズ (L/H) |
推奨ポンプ型番 |
Nano | 105 | 2000 | DEP-4000 |
170 | 165 | 2000 | DEP-4000 |
250 | 244 | 2500 | DEP-4000 |
350 | 345 | 3000 | DEP-6000 |
425 | 422 | 4000 | DEP-6000 |
450 | 440 | 4000 | DEP-6000 |
525 | 525 | 4000 | DEP-6000 |
ペニンシュラ500 | 500 | 6000 | DEP-10000 |
ペニンシュラ650 | 662 | 7000 | DEP-10000 |
XXL625 | 625 | 6000 | DEP-10000 |
XXL750 | 750 | 7000 | DEP-10000 |
レッドシー様が推奨しているポンプサイズを元に計算するとDEP-4000,DEP-6000,DEP-10000に偏ってしまいました。
総水量が違うのにポンプサイズが同じなんて気持ち悪いので、補正を掛けたいと思います。
1時間当たりに必要な循環量(回転数)をどう設定するかが肝なのですが、何かしらの数字からポンプ容量を導きたいので、ここでは、全てのデータを平均化して1時間当たり循環量(回転数)を設定する事にしました。
(19+12+10+8.7+9.5+9.1+7.6+12+10.6+9.6+9.3)/11=約9.9回
数字を丸めさせて頂き、1時間当たりに約10回循環させる能力が有るポンプを提案させて頂きます。
表5 HSBAO社製ポンプお勧め型番(その2)
型番 |
総水量 (L) |
計算で求めた推奨ポンプ容量 (L/H) |
推奨ポンプ型番 |
Nano | 105 | 1050 | DEP-2500 |
170 | 165 | 1650 | DEP-4000 |
250 | 244 | 2440 | DEP-4000 |
350 | 345 | 3450 | DEP-6000 |
425 | 422 | 4220 | DEP-6000 |
450 | 440 | 4400 | DEP-8000 |
525 | 525 | 5250 | DEP-8000 |
ペニンシュラ500 | 500 | 5000 | DEP-8000 |
ペニンシュラ650 | 662 | 6620 | DEP-10000 |
XXL625 | 625 | 6250 | DEP-10000 |
XXL750 | 750 | 7500 | DEP-10000 |
ここまでやると、クーラー挟んだら?とか紫外線ランプ挟んだら?とか気になりますよね?
実験データ(N値)が少ないので、微妙では有りますが、ポンプとオーバーフロー管の間にデバイスを挟むとざっくり6割程度の流量になると考えられます。
そこで表を更に改定すると、、、
表6 HSBAO社製ポンプお勧め型番(その3)
型番 |
総水量 (L) |
計算で求めた推奨ポンプ容量 (L/H) |
推奨ポンプ型番 |
Nano | 105 | 1050 | DEP-4000 |
170 | 165 | 1650 | DEP-6000 |
250 | 244 | 2440 | DEP-6000 |
350 | 345 | 3450 | DEP-8000 |
425 | 422 | 4220 | DEP-10000 |
450 | 440 | 4400 | DEP-10000 |
525 | 525 | 5250 | DEP-12000 |
ペニンシュラ500 | 500 | 5000 | DEP-12000 |
ペニンシュラ650 | 662 | 6620 | DEP-15000 |
XXL625 | 625 | 6250 | DEP-15000 |
XXL750 | 750 | 7500 | DEP-20000 |
なるべく大きなポンプをお買い求め頂けると嬉しいのですが、この結果を見るとやはり循環ポンプとクーラーや紫外線殺菌灯への循環ポンプは分けた方が省エネになる気がします。
そして大事な事ですが、DCポンプは少し大きめのポンプを選んで流量を絞って使う方法がお勧めです。
*決してなるべく大きくて高いポンプを皆様に購入して頂きたい訳では御座いません。
絞った流量に応じた電力量しか消費しないので省エネですし、100%能力でポンプを回すより絞った方がもちろん音が小さくなります。
元々、低騒音ですが0では無いので、少しでも低騒音の方が嬉しいですよね?
それにポンプの汚れ等によって能力が落ちてきたなーって感じた時、そして掃除をするのが面倒な時、コントローラのボタンをポチポチ押して流量アップ出来る余裕が有るなんて良いじゃないですか?
*ACポンプでは、バルブや吸い込み水量を物理的に抑えることで流量を絞る関係で、大きく電力使用量を下げる事が出来ません。
皆さんの参考になれば幸いです。
良いアクアライフを!!
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